「グラニュラーシンセ」について
早速制作の話に入っていきましょう。
幻想的なパッド素材の制作にたいへん役立つのが、
「グラニュラー・シンセシス」というシンセサイザーの技術。
これは、一つの音声をほんの小さな微細音にスライスして、
短い時間に何度も発声させて音を産み出す謎のテクノロジーです。
大きな岩を削って小さな砂の粒子にして、
それを砂時計のようにサラサラと流すようなイメージでしょうか。
この方式を使って音を出す代表的なシンセサイザとして:
- Steinberg Padshop 2 (Cubase10.5内蔵)
- Spectrasonics Omnisphere 2
- Robert Henke Granulator II (Max for Liveデバイス)
などがあります。
その他、Logic Proの「Alchemy」にもエンジンが搭載されている他、
Abletonから「Grain Scanner」なるグラニュラーシンセが登場するなど
あらゆるプラットフォームでの普及が進んでいます。
今回のサンプルパックの制作においては、
上記のOmnisphereとGranulatorがフルに活躍しました。
STEP 01 -シンセに読み込む素材作り-
グラニュラーシンセはサンプルを読み込んで音を鳴らすので、
まずは、読み込む素材の準備が必要です。
Wavなどの音声ファイルであれば
基本的にどんな音でも読み込み可能ですが、
サンプルの短い断片を切り貼りする性質上
音によっては向き不向きが出てきます。
そのため、一部のシンセサイザーでは、
グラニュラー向きのサンプルを「Granular Friendly」として
カテゴライズしている事も。
シンセにブチ込むのに好ましい音は、
- ピアノなど、テールの長い もしくは連続している音
- 環境音など、大きな変化の少ない音
- ビニール袋をくしゃくしゃにした時のような分散した音 などなど…
比較的、尺の長い連続音になると思います。
今回は、3種類の音を用意してみました。
適当にキーボードを叩いてピアノやシンセを
演奏しただけのかんたんなサンプルです。
早速、音を鳴らしてみましょう!次ページに続きます。